石原の責任論(4)

石原の責任論(4): 負担付きの寄附その2

読売新聞 「どうせ内閣もたない…寄付金譲渡ダメと石原知事」

2012年9月6日20:39  

尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入資金として、東京都が全国から集めた14億6000万円超の寄付金について、政府に譲る意向を示していた石原慎太郎知事は6日、「あれ(政府への譲渡)はダメ。献金した人と約束したので」と発言を翻した。

・寄付金は同諸島に船だまりや漁業無線の電波中継基地などを整備する費用に充てるという。出張先の福井県敦賀市内で報道陣の取材に答えた。  

・石原知事は5日、政府と地権者が同諸島の売買に合意したことを受け、「(寄付金は)政府が購入するなら即座に政府に渡す」と語っていた。

・しかし、現政権は石原知事の求める施設整備に消極的なため、この日は「どうせ内閣はもたないし、次の選挙で自民党を中心とする内閣ができる。自民党はあそこ(尖閣諸島)にものを作る意思がある」と語った。新政権に施設整備を働きかけるという。  

 

参考:

✩「 石原〝尖閣サギ〟証拠発見/尖閣購入カネ集めの危うさ」 

2012/7/11ゲンダイ掲載

http://gendai.net/articles/view/syakai/137562

・この一文が「詐欺まがい」の動かぬ証拠<“第2のAIJ”になりかねないぞ。

・ 「乱暴というか拙速というか、粗雑だよな。民主党も支離滅裂。多分、人気稼ぎなんだろうね」 東京都の石原慎太郎知事(79)が仏頂ヅラだ。尖閣諸島の国有化に音無しの構えだった野田内閣が一転、「買う」と言い出したことに猛反発。

・自分の頭越しに地権者側と交渉を進めたことにも「野田は黙って見ていろ」とカンカンだった。石原にすれば“オレの手柄を横取りしようとするな”という気持ちだろうが、「手柄」を奪われると、厄介な問題も生じかねない。  

・ 都が尖閣購入のために募っている寄付金の存在だ。都は石原の肝いりで4月末に「尖閣諸島寄付金口座」を開設。すでに9万819件、総額13億4146万円(9日現在)もの莫大なカネが寄せられている。  

・ 今のところ地権者側は国への売却に難色を示しているが、万が一、都に先駆けて国が尖閣を購入すると、巨額の寄付金が宙に浮いてしまう。

・ 返金しようにも、「都の口座に現金を直接、振り込まれるケースも多く、寄付した全員の捕捉は困難」(知事本局・尖閣諸島寄付担当課長)というから、どうしようもない。

・ 担当課長は「知事との信頼に基づいて集めたお金です。あくまで購入に活用することしか考えていません。今後の経緯を見守って下さい」と“最悪の事態”を想定していないかのように振る舞うが、都の寄付金募集サイトにはズルイ一文が盛り込まれている。

・ 〈この寄付金は「負担付きの寄付」として受けるものではありません〉一体どんな意味を持つ文言なのか。地方行政に詳しい立正大教授の金子勝氏はこう言った。

・ 「『負担付き寄付』とは、自治体が税金以外のお金を住民から集める場合、特定の目的に使うことを前提に認めたルールです。

・ 寄付金を担保するため、地方議会の議決を要する、と地方自治法は定めています。目的を失えば寄付は無効で返還の義務がありますが、逆に『負担付き寄付』でなければお構いなし。

・ 寄付金を別の目的に流用しても、法的にはとがめられません。今回の寄付は“オレが集めたカネをどう使おうがオレの勝手だ”と、石原知事に解釈されてしまう恐れがあるのです」  

・ 今から流用の布石を打っているなんて、まるで「サギまがい」だ。  尖閣購入が果たせなかった場合、石原は寄付金をどうする気なのか。AIJの浅川社長のように「だますつもりはなかった」と開き直るのか。

 

✩「尖閣諸島購入に寄付金は疑問」

 2012/5/5 朝日新聞声欄若い世代 投稿:大学生高野明日香、神奈川県厚木市21歳 http://livedoor.blogimg.jp/greatprc-you1/imgs/3/c/3c4c4742.jpg

・ 東京都が尖閣諸島の購入に向け、寄付金の受け皿となる専用口座を開設したそうです。 違和感を感じたのは私だけでしょうか。今でも多くの方が震災の影響で元の生活に戻れない苦労をなさってます。

・ そんな時に出た石原慎太郎東京都知事尖閣諸島購入の発言。そして寄せられた賛同する意見。私は尖閣諸島が日本の領土だと主張することは必要だと思います。そのための石原都知事の行動も、少々大胆ですが必要だと思います。

・ ただ、果たして今、私たちがお金を出してまで購入しなければならないのでしょうか。日本人はどうも、時間が過ぎるとすぐ新しいものに飛びつく傾向があるような気がします。

東日本大震災発生直後に多く集められた寄付金ですが、1年以上経った今、寄付をする人は一体どれぐらいいるでしょうか。

・ あまりにも短い周期で移りゆくブームのように、今も続く被災者の苦労すら既に忘れ去られてはいませんか。